Claude CodeのようなコーディングAIにNASAのTESS望遠鏡の公開観測データを任せると、AIがデータをダウンロードし、探索コードを書いて、星が規則的に暗くなる信号を探し、偽の信号でないかも検査します。人が決めるのは、何を問うか、何を合格・不合格とするかです。こうして見つかった信号は、どれもまだ専門家の確認を経ていない「候補」です。天文学を学んだことのないプロダクトマネージャーが見つけた候補が観測時間を得るまでの経緯、そのRedditとXの投稿を見て同じ方法を試した人たち、同じ頃に星の変化を見つけた独立研究者の事例をまとめました。
天文学を学んだことのないスペインのプロダクトマネージャーPavel Rabtsevichは、9月末にr/ClaudeAIで"I used Claude Code to find it(Claude Codeで見つけた)"と惑星候補の話を投稿し、この投稿はスコア5,995、コメント705件を集めました。 10月7日にXに投稿したスレッドは閲覧119万回を超えました。 その後の数日間で、この投稿を見て同じ方法を試した人たちが、自分の見つけた候補を次々に公開しました。 10月11日には独立研究者のFriedrich Otto Kroneも、コーディングエージェントで白色矮星の増光候補を見つけて公開しています。
Yaleの天文学者出身で、現在はAI業界で働くGreg Laughlinは、Scientific Americanでこの件を"a great example of human-AI teamwork(人とAIが協力したよい例)"と評しました。
116光年離れた星TIC 4206066は、3.18日ごとに約0.05%、2時間ほど暗くなります。惑星が星の前を横切っているのなら、その惑星の半径は地球の約1.4倍です。Rabtsevichが星の暗くなった時刻を22回確かめたところ、22回すべてが3.18日周期で計算した時刻どおりに暗くなっていました。 11.13日ごとに暗くなる、より弱い信号も見つかりましたが、こちらについては本人も"The evidence for that one is much weaker(証拠はずっと弱い)"と書いています。
データのダウンロード、探索コードの作成、減光の形のフィッティング、周辺の星や偽信号の検査、グラフの作成、失敗したテストの再実行は、Claude Code(Opus 5.5・Fable 5.1)が担いました。Rabtsevichは"I chose what questions to ask, what tests mattered, and what counted as pass/fail.(何を問うか、どのテストが重要か、何を合格・不合格とするかは自分が決めた)"と書いています。結果のレビューは、Codexと、読み取り権限だけを与えた新しいエージェントセッションが別々に行いました。
9月25日にはZenodoにプレプリントを公開し、閲覧6,542回、ダウンロード900回を記録しました。 TESSの裁量観測(DDT)の承認リストには、この星を2分間隔で観測するという本人の提案が承認済みとして載っています。リストの原文は次のとおりです。"Pavel Rabtsevich | Two-minute cadence for TIC 4206066, a nearby K-dwarf with a 1.4R planet candidate(近くのK型矮星TIC 4206066を2分間隔で観測、地球半径の1.4倍の惑星候補)"、承認は"yes"。 この承認により、TESSは次の観測期間中、この星の明るさを2分ごとに記録します。
“Important caveat: a faint neighbouring pair of eclipsing stars could fake the dip, so these exoplanets remain candidates pending further verification.”
“AI tools won't necessarily be helpful in the process of confirming planets, but [they] will likely continue to be used to string together publicly available code to help search for planets and run them through the basic vetting processes…”