従業員1人あたりの月間AI支出の中央値は$11.38です。
これはRampが2026年6月に米国7万社以上の実支出データを分析した結果です。 ChatGPT Teamsのシート1つ分。それが大半の会社の現実なんです。
では上位1%は?1人あたり月$7,449を使っています。 680倍の差。しかも先月だけで14.1%増えました。
- 中央値は1人あたり月$11.38 — SaaSサブスク1本分
- 上位1%は月$7,449 — 680倍差、前月比14.1%増
- 分岐点はチャットボット契約かエージェンティック基盤か
- エージェンティックAIのコストはチャットボットの30倍($1.20 vs $0.04)
- このスケールになるとAI支出は競争上の堀になる
大半の会社、月$11しか使っていないんですよ
Rampは7万社以上の実際のカード・請求書支出を追跡しています。2026年6月のAIインデックスは、企業が「使うべきと思っている額」ではなく、「実際に使っている額」を示しています。
| ティア | 1人あたり月間支出 | 主な内訳 |
|---|---|---|
| 中央値(50パーセンタイル) | $11.38 | ChatGPT TeamsまたはCopilot 1席 |
| 上位(75〜90パーセンタイル) | $50〜$500 | 複数のAI SaaSツール+APIも少々 |
| 上位1% | $7,449 | エージェンティックワークフロー、社内AIインフラ、トークン予算管理 |
6月データで注目すべき2つのシグナル:AnthropicがRampの企業支出シェアでOpenAIを初めて上回りました。 そしてDeepSeekがトレンドツールリストのトップに。最高支出者たちはフロンティアモデルとオープンソースモデルを使い分けているんです。
上位1%は実際に何をしているのか?
上限に達した3社の事例と、何がトリガーになったか。
Meta — "Claudeonomics"とToken Legend
Metaは「Claudeonomics」と呼ぶ社内AI使用量リーダーボードを構築し、最高使用者に「Token Legend」バッジまで付与しました。採用促進のためのプログラムでした。しかし効きすぎた。コストが想定を超えたため、6月にMetaは強制的な使用上限を設けることになりました。
Uber — 年間予算を4ヶ月で使い切る
UberのエンジニアリングチームはAI採用率84%を達成。年間AI予算は4月に尽きました。原因は大規模コードベース上で自律稼働するエージェンティックなコーディングアシスタント。1ワークフロー$1.20が1日に何百回も走る構図です。
Mercor — 人件費よりAI費が高い
AIリクルーティングプラットフォームのMercorは、AIトークン費用がすでに従業員給与総額を超えています。採用パイプライン全体が自律エージェントで動いています。
なぜ格差はさらに速く広がっていくのか?
原因は採用率ではなく、コスト構造です。
| 観点 | チャットボット(2023) | エージェンティック(2026) |
|---|---|---|
| 1ワークフローあたりコスト | $0.04 | $1.20(30倍) |
| アクションのトリガー | 人間 | エージェント(自律) |
| 1日の実行回数 | 10〜50回 | 数百〜数千回 |
| 競合からの見えにくさ | 低(コモディティツール) | 高(独自インフラ) |
エージェンティックシステムが1日数百回、1回$1.20で動けば、月間トークン費用は急速に積み上がります。 EYの分析は明快です:今エージェンティック基盤を構築している企業はコスト上の堀を作っている。格差は予算規模の話ではなく、すでにパイプラインを構築して支出を正当化できている企業かどうかという話です。
自社のAI支出、今どのティアにいる?
現在地を確認して次に進むための5ステップです。
- 1人あたりの月間AI支出を計算する
全AIサブスクリプションとAPI費用を合算し、従業員数で割る。この数字がすぐ出てこないなら、それ自体がシグナルです。 - 最もコストのかかるワークフローを1つ特定する
SaaSサブスクが最大費用なら中央値ティアにいる可能性大。内部ツールからの自律APIコールが最大費用なら上位に向かっています。 - 自律稼働しているエージェンティックワークフローがあるか確認する
エージェンティック=人間が各ステップを承認せずにAIがアクションを起こすこと。ゼロなら今の$11支出はやっていることに対して適正です。 - 選択する:SaaSテナントか、インフラオーナーか
SaaS AIツールは導入が速く管理しやすい。インフラオーナーシップ(カスタムエージェント、モデルルーティング、トークン予算)は高コストだが独自ケイパビリティを構築できる。上位1%はこの選択を明示的に行っています。 - スケールするなら:まずコスト管理を構築する
MetaとUberはどちらも予算可視化なしに拡張して上限に達しました。エージェンティックワークフローを拡大する前に、チーム別トークン予算とモデルルーティングを実装しましょう。
もっと深く知りたい方へ
Ramp AIインデックス — 2026年6月 メインデータソース:米国7万社以上のAIツール別実支出データ。 ramp.com
2026年企業のAIトークン支出実態 Rampデータをさらに詳しく分解したGrey Journalの分析記事。ティア分布とツール別支出ベンチマーク付き。 greyjournal.net
EY — エンタープライズにおけるエージェンティックAIのトークンコスト チャットボットからエージェンティックへのコスト構造変化と、$0.04→$1.20フレームワークの分析。 ey.com
MetaのAIトークン支出 Claudeonomicsプログラムと、内部AI採用促進策がコスト管理を追い越した経緯。 cryptobriefing.com
2026年エンタープライズAIを再編する3つの断層線 Uberの予算消化事例とエージェンティック採用が大規模に展開する様子を分析。 marketscale.com




