月額9ドルで得られるのは、見栄えのよいダッシュボードではありません。Webサイトの訪問・コンバージョン・売上データを、AIエージェントが質問できるツールに変える接続経路です。ただし、使える回答を得るには、まずイベントを適切に定義し、読み取り権限から開放する必要があります。
9ドルで得るのは分析画面より「質問できるデータ」です
Open Analyticsは、小規模でシンプルなサイトにおけるGA4の日常的な分析作業を減らすことに焦点を当てたツールです。 ページビュー、リアルタイム訪問、流入元、ファネル、カスタムイベント、Core Web Vitals、Stripeの売上帰属を1つの製品で扱い、MCPサーバーと読み取りAPIも提供しています。公開リポジトリはAGPL-3.0ライセンスで、自分でホスティングすることもできます。
ホスティング版のStarterプランは月額9ドルで、月間5万イベントと3サイトが含まれます。無料プランはありませんが、カード不要の7日間トライアルがあります。機能ごとの追加課金ではなく、利用量とサイト数に応じて上位プランへ移行する仕組みです。
ここで重要な単位は「訪問者」ではなく、イベントです。ページビューとカスタムイベントが利用量に含まれるため、トラフィックが少なくても自動イベントをむやみに増やすと5万件をすぐに消費することがあります。最初の1か月は、ページビューと事業に直接つながるコンバージョンを2~3件だけにし、実際の発生量を確認するのが安全です。
標準トラッカーは、Cookieやブラウザストレージに訪問者識別子を残しません。サーバーがIPアドレス、サイトID、日付、粗いブラウザ分類を材料に一方向の識別子を作成し、この値はUTCの午前0時ごとに変わります。元のIPは識別子の計算と内部の地理情報照会後に保存されず、GPCシグナルはブラウザ側と収集サーバー側の両方で拒否されます。
「Cookieがないから、同意バナーは必ず不要」と断定してはいけません。
開発元は標準構成ではバナー不要と説明していますが、規制当局による分析ツールの同意免除は、目的制限やデータ処理方法など複数の条件を前提としています。ほかの広告ピクセルやセッションツールを併用したり、識別機能を追加したりした場合は、サイト全体の構成を別途確認する必要があります。
MCPを接続すると、ダッシュボードの閲覧がエージェントのツール呼び出しに変わります
接続に必要な中心的な値はhttps://api.getopen.so/mcpだけです。 MCP対応クライアントのコネクター設定にこのアドレスを入力すると、ブラウザでOAuth承認画面が開きます。APIキーをチャット画面や設定URLにコピーするのではなく、アプリ名と要求スコープを確認してアクセスを承認する流れです。
接続後、エージェントは期間別の訪問者・ページ・流入元・地域・デバイス・リアルタイム状況と売上集計を読み取れます。たとえば、「直近7日間とその前の7日間の登録コンバージョン率を比較し、変化の大きい流入チャネルを示して」といった、これまで複数画面を行き来していた質問を一度に投げられます。
ただし、MCPは分析モデルではなく、分析データにアクセスするための標準的な経路です。公式MCPドキュメントも、これをAIアプリケーションとデータソース・ツールの間の標準接続方式と説明しています。結局、イベント名・期間・コンバージョン定義が曖昧なら、エージェントの回答も曖昧になります。
| 業務 | ダッシュボードだけを使う場合 | MCPエージェントを接続する場合 |
|---|---|---|
| 週次比較 | 期間とレポートを手動で切り替える | 2つの期間と指標を文章で指定する |
| 原因の探索 | チャネル・ページ・デバイスの表を順に確認する | 複数の分解軸について連続して質問する |
| 定期レポート | 数値をコピーして再度説明する | 同じ質問形式で再照会する |
| 統制 | アカウントのロールに依存する | 接続ごとに読み取り・書き込み範囲を承認・取り消しする |
権限は読み取りと書き込みに分かれています。読み取りスコープではサイト、分析、リアルタイム、売上集計を扱い、書き込みはファネル・イベント・ウィジェット・共有など、作業ごとに別途承認します。サイト削除、チームメンバー、APIキー、請求、ドメインは、エージェントが変更できないようにブロックされています。接続済みアプリはAccountのConnected appsで即座に取り消せ、接続および新しい出所からの初回利用記録も残ります。
最初は読み取りのみを承認してください。
週次サマリーや異常の説明に書き込み権限は必要ありません。実際にファネルやイベントを管理する理由が生じたときだけ該当スコープを追加すれば、ミスの影響範囲を小さくできます。OAuthベースのスコープ承認とトークンの対象制限は、MCP権限モデルの中核でもあります。
GA4をすぐ削除する前に、2つのツールで数値が異なる理由を見ましょう
Open Analyticsが適しているのは、小規模コンテンツサイト、ランディングページ、初期段階のSaaS製品のように、中心となる質問が明確な環境です。 「どこから来たか、何を見たか、登録したか、売上につながったか」をすばやく聞きたいチームなら、導入とレポートの過程がシンプルになります。
一方、広告プラットフォーム連携、長期ユーザーコホート、複雑なEコマーススキーマのように、継続的な識別と幅広いマーケティングエコシステムが重要な組織は、GA4をすぐに削除するより並行検証が必要です。Open Analyticsの匿名訪問者識別子は毎日変わるため、標準状態では同じ人物を複数日にわたって追跡する用途ではありません。サイトが別の仮名ユーザーIDを送るidentify機能は利用できますが、これは標準の匿名モデルとは異なる処理なので、プライバシー通知と社内ポリシーもあわせて変更する必要があります。
既存の分析ツールより数値が低く出ること自体も、障害とは限りません。Open AnalyticsはGPC訪問を集計せず、DNTも標準で尊重するため、Cookieベースのツールと総数が異なることがあると明記しています。
20分以内に導入してAIエージェントへ接続する手順
1. サイトを作成してトラッカーを導入します
Open Analyticsにログインし、サイト名とドメインを追加して、oa_pk_…形式のtracking keyを取得してください。プロジェクトフォルダでnpx getopen initを実行すると、Next.js、React、Vue、Nuxt、SvelteKit、Remix、Astro、Gatsby、WordPress、通常のHTMLを検出し、適切なファイルにスニペットを挿入します。手動で導入する場合は、ダッシュボードが提供する非同期スクリプトをサイトの<head>に追加してください。
2. 最初のページビューと主要コンバージョンを1つ検証します
デプロイしたサイトを自分で開き、realtime画面に最初の訪問が表示されるか確認してください。続いて、最も重要なボタンにdata-oa-event="signup"のようなイベント属性を付けます。ボタンの位置を比較するには、data-oa-prop-section="hero"やdata-oa-prop-section="pricing"のような属性を追加してください。同じクリックにHTML属性とoa.track()を併用すると重複課金になる可能性があるため、どちらか一方だけを選びます。
3. MCPコネクターを読み取り専用で接続します
AIクライアントのMCPまたはcustom connector設定で、名前にOpen Analytics、URLにhttps://api.getopen.so/mcpを入力してください。ブラウザの承認画面で、site:read、analytics:read、realtime:readのような必要な読み取りスコープだけを確認して承認します。stdioのみを受け付けるクライアントなら、ドキュメントに案内されているnpx mcp-remote https://api.getopen.so/mcpブリッジを使えます。
4. 答えだけでなく根拠が見える質問で試します
最初の質問には、「直近7日間とその前の7日間の訪問者、signupイベント、コンバージョン率を表で比較し、各数値の期間を記載して」が適しています。次に、「変化の大きい上位の流入元とランディングページを分けて見せて」と尋ねてください。数値に疑いがあれば、同じ期間をダッシュボードで照合し、イベントが実際のボタンクリックと1回ずつ対応していることを確認します。
5. 1週間後に置き換えるか決めます
GA4と7日ほど並行運用し、キャンペーン流入の方向、コンバージョン発生時刻、イベント漏れを比較してください。必要な質問に一貫して答えられ、月間イベント予測量がプラン内に収まるなら移行し、広告連携や長期ユーザー分析が不足するならGA4を補助ツールとして残すのが現実的です。
さらに深く知りたいなら
Open Analytics: AI-Native Google Analytics alternative for the modern web — 製品リリースの背景、月額9ドルの価格、AGPLでの公開、MCP対応についての開発元の説明を確認できます。 producthunt.com
Quick start | Open Analytics — サイト作成からnpx getopen init、最初のリアルタイムイベントの確認までを扱う、最短の導入ドキュメントです。 getopen.so
MCP: connect an AI agent | Open Analytics — MCPアドレス、OAuth承認、読み取り・書き込みスコープ、接続取り消しメニューを確認できます。 getopen.so
GitHub - OpenLabs-so/openanalytics: Open-source, privacy-first and cookieless web analytics with revenue attribution and an MCP server. — AGPLライセンス、構成要素、セルフホスティング要件、実際のソースコードを確認できます。 github.com
Authorization - Model Context Protocol — MCPでOAuth承認とトークンの対象制限が必要な理由を確認できる公式仕様です。 modelcontextprotocol.io


