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パーソナルAIエージェント · Meta Muse

売り切れたマラソンの出走権を探してと頼むと、Museがドイツ語で売り手たちと値段交渉し、エントリー完了までこぎつけた

Metaが9月に米国で公開したMuseは、スマートフォンとWebで使うパーソナルアシスタントです。頼めば自分のブラウザでサイトを回り、売り手や業者に連絡し、値段を交渉し、通報まで入れます。まだ米国・カナダでしか使えませんが、人々が実際に任せた仕事とその結果を、業者側の画面まで含めて集めました。

2026年10月6日·事例 4件

#購入・交渉#返金依頼#通報・申請#顧客対応

Museとの会話画面。「Can u find vpciher code for me」という依頼に、Museが「There's no public voucher code to find.」と答え、譲渡の方法を説明している
誤字の混じった一行の依頼に、Museがまず間違った前提を正す場面です。出典:Sakthi Kumar YouTube

一番上の動画のSakthi Kumar氏は、ミュンヘンに住むソフトウェアエンジニアです。ハーフマラソンの出走権が売り切れていたなか、譲渡の締め切り当日に、Museへ"Can u find vpciher code for me(バウチャーコードを探してくれる?)"と誤字の混じった一行を送りました。Museは"There's no public voucher code to find.(公開されているバウチャーコードはない)"と、勘違いしていた点からまず正し、出走権を譲ってくれる人を探してドイツ語で連絡を取り始めました。その夜、主催者から"Your registration was successful.(エントリーが完了しました)"というメールが届きました。

リリース後、XとRedditにはMuseに任せた仕事を紹介する投稿が相次ぎました。電柱に絡まった通信線の写真1枚でVerizonへの通報を任せたという投稿は、85万回以上表示されています。 米国App Storeの評価数は、10月1日の9万8千件から5日間で15万9千件に増えました。

Museは自分のブラウザを開いてサイトを回り、フォームを埋め、代わりに交渉します。 以下の事例を見ると、ログインや認証コード、送金といったステップは人が自分で入力していました。

Reference 01ミュンヘン在住のソフトウェアエンジニア Sakthi Kumar · YouTube(概要欄に招待コード)

Museが複数の売り手にドイツ語で問い合わせて値切る間、人がしたのは選ぶことと送金だけでした

Museは個人売買サイトkleinanzeigenで出走権の出品を探し、複数の売り手にドイツ語でメッセージを送りました。最初の売り手はすでに売ったあとで、別の売り手には80ユーロで譲ってもらえないかと改めて尋ねました。友人間送金(Friends & Family)を求めた売り手は候補から外し、売り手のアカウントが作られて何年たつかも確認しています。

Sakthi KumarがMuseに送った依頼(送った順、誤字もそのまま)
  1. 1Can u find vpciher code for me
  2. 2Can u ask someone about it if they can sell it and get me the response if they respond
  3. 3Can u keep sending messages on kleneienzeigen or not?

短く、誤字の混じった依頼でした。売り手にメッセージを送るにはログインが必要だと言われ、kleinanzeigenのログイン情報は本人が入力しました。

Museが送ったドイツ語のメッセージ「Wärst du bereit, den Startplatz für 80 € abzugeben?」と、売り手の返事「95€ I can do」
Museのドイツ語のメッセージ「80ユーロで譲ってもらえませんか?」に、売り手は95ユーロを提示しました
ミュンヘン・マラソン主催者からのメール。「Make it yours. Run Munich. Your registration was successful. HALF MARATHON OCTOBER 11, 2026」
その夜の主催者からのメール:「Your registration was successful.」

送金は本人がPayPalで行い、最終的な売り手と実際に払った金額は、動画では明かしていません。

Reference 02AIを初めて使う友人 · AI講師Allie K. Millerの動画

メールボックスをつなぐとサブスクを10件見つけ出し、CLEAR+を解約して304ドルの返金案内を受け取りました

AIエージェントを初めて使う友人が、Gmailをつないでサブスクを点検してほしいと頼みました。Museは更新日や値上げの日付まで添えてサブスク10件を整理し、友人はそのうち空港の保安検査サービスCLEAR+を解約して、304ドルが返金されるという案内を受け取りました。

スマートフォンに表示されたMuseのサブスク一覧。有効なサブスク10件、年間約1,300ドルと、項目ごとの更新日・価格
Museが整理したサブスク10件(年間約1,300ドル)
CLEAR+のサイトの解約画面。「Your membership has been cancelled」と304ドルの返金案内
CLEAR+のサイト:「You will be issued a refund of $304.00.」

Allie氏は「友人が年に1,300ドル節約した」と投稿しましたが、この数字はMuseが計算したサブスク10件の年間総額と同じです。画面で確認できるお金は、CLEAR+の返金案内の304ドルです。

CLEAR+の解約と返金案内が表示されたスマートフォンの画面

何を解約するかは、友人が自分で選びました。CLEAR+の解約ボタンをMuseが押したのか友人が押したのかは、動画には映っていません。

Reference 03技能職向けAI企業のCEO Todd Saunders · X

電柱に絡まった通信線の写真を1枚渡すと、Verizonへの通報から技術者の訪問までつながりました

道で見かけた電柱の写真を撮り、Verizonに連絡してほしいと送りました。MuseはVerizonのWebサイトから通報を入れ、スマートフォンに届いた認証コードだけを本人が伝えました。Museは受付番号とともに、24〜72時間以内に日程調整の電話が来ると報告しました。 1日後、Verizonの技術者からいま向かっているというSMSが届き、本人は"It was fixed in 24 hours(24時間で直った)"と書いています。

Todd Saundersが写真と一緒に送った依頼

Can you reach out to Verizon and ask them to clean up these wires?

この文のあとに、場所の住所を添えました。

Museとの会話。電柱の写真と依頼、その下に「Browser Completed · Contact Verizon」のカード
写真と依頼、そしてVerizonのサイトで作業を終えたMuseのブラウザカード
VerizonからのSMS。技術者が修理の予約のため、いま自宅に向かっているという内容
Verizonの技術者からのSMS:「I'm headed to your home now for your repair appointment.」(名前は隠しています)

Reference 04カナダのテックレビュアー Matt Robb · YouTube

個人売買の対応を「常に許可」で任せたら、Museが買い手に自宅の住所を教えてしまいました

アプリを入れた直後にFacebook Marketplaceの対応を任せる際、最初に出た権限のウィンドウで「常に許可」を選びました。その許可は新しい出品にもそのまま引き継がれ、Museは彼が家にいない時間に買い手と受け渡しの約束をして、住所を伝えてしまいました。買い手は30分運転してきて、無駄足を踏みました。Museは経緯をまとめるなかで、"You never explicitly instructed me to share the address with buyers(住所を買い手に伝えるよう明示的に指示されたことはない)"と書いています。

スマートフォンに表示されたMuseによる経緯のまとめ。9月24日にMarketplaceの対応を任せた内容と、住所を伝えるよう指示したことはないという文

彼は、Museが送ったメッセージと自分が送ったメッセージが、Messengerでは同じ青い吹き出しで表示された点も危ないと指摘しています。いまは「自分が確認するまで受け渡しの約束はしない」というルールを設定しています。

使った人の声

使った人たちは、料金の交渉、請求への異議申し立て、不用品の出品のように、後回しにしていた生活の雑務を任せられる点を歓迎しています。ただ、投稿にある金額のほとんどは本人の申告です。不満は、サイトがMuseをボットとみなしてブロックすること、アカウントのロック、ないことをでっち上げることに集まりました。

よかったという声

  • “Just negotiated my AT&T bill down $50 a month.”

    AT&Tの料金を月50ドル下げたそうです。サポートとのチャットは45分ほど続き、途中で何度か情報を自分で入力する必要があったものの、最後までやり遂げたといいます。

    u/RaiderMike824 · Redditreddit.com
  • “It logged into my university account, went through the records, pulled together the evidence showing when I withdrew and what I was actually enrolled in, and figured out who at the university actually needed to receive the dispute.”

    大学のアカウントに入り、退学した時期と実際の履修記録を集め、異議を受け付ける担当者まで突き止めたそうです。約7,000ドルの請求が取り消されたと書いています(本人談)。

    u/vainjuggler · Redditreddit.com
  • “I just snap a few pictures and tell it to ask me a few relevant questions about the item and to find a good sellable price and it does the rest (I have to log in for it of course).”

    不用品の写真を何枚か撮って、必要なことを質問し、売れそうな値段を探すよう頼めば、あとはMuseがやってくれるそうです。ログインは自分でしているといいます。

    u/rbuyna · Redditreddit.com
  • “Im not a very technically advanced person and ive found muse to be very useful so far.”

    技術に詳しくなくても役に立ったそうです。メールは書かせるだけで、送信はさせないようにしているといいます。

    u/Ok_Tadpole1661 · Redditreddit.com

物足りなかったという声

  • “Muse said it can call the restaurant, which it tried and got "hung up on".”

    レストランの予約を任せたところ、YelpはMuseをボットとみなしてブロックし、レストランへの電話は切られたそうです。

    M Mohan · Xx.com
  • “Instacart locked my account because of suspicious activity.”

    Museが代わりに使っていた買い物代行アプリのアカウントが、不審なアクティビティとしてロックされたそうです。

    u/MadTealParty · Redditreddit.com
  • “It was a little receipt, but it read it as “business card” for a neurosurgeon (?) and included a full address and phone number. These were totally out of nowhere, and googling, it’s not a person that exists.”

    小さなレシートを脳神経外科医の名刺だと読み取り、実在しない人物の住所と電話番号までこしらえたそうです。

    u/zibbity · Redditreddit.com
  • “I tried to get it to just check my prescription refill at the VA website. Just that one simple thing. It couldn't do it”

    米国退役軍人省(VA)のWebサイトで、処方薬のリフィルを1つ確認することすらできなかったそうです。

    u/Globalcop · Redditreddit.com

始め方

Museはまだ米国とカナダでしかダウンロードできず、Metaはほかの地域での提供時期を明らかにしていません。米国・カナダ以外で似た仕事を任せるなら、ChatGPT ProのOpenAI Dotsがあります(EEA・スイス・英国を除く)。

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    米国・カナダのApp Storeかmuse.aiで、Museを始めます

    基本は無料で、使用量に上限があります。もっと使うなら、Power(月20ドル)かMaximum(月100ドル)を契約します。契約できるのは18歳以上だけです。

    Museのサブスクリプション案内 ↗
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    メール・カレンダーなど、任せたい仕事に必要なアプリをつなぎます

    上のAllie氏の友人は、Gmailをつないでサブスクの点検を任せました。9月末からは、Slack・Notionなどの連携アプリも増えています。

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    権限ウィンドウの「常に許可」は、信頼できる仕事にだけ選びます

    Museは操作ごとに、1回だけ許可、常に許可、拒否から選ばせます。上のMatt Robbの事例のように、一度の「常に許可」がその後の仕事にもそのまま引き継がれるので、お金・住所・約束が絡む仕事は先に確認するよう、ルールとして書いておきましょう。

事故のあとに設定したルール

Matt Robbが住所の件のあとでMuseに送った言葉です。Museは「自分が承認していない受け渡しは、決して約束も確認もしない」というルールとして保存したと答えました。

Matt RobbがMuseに送ったルール

You gotta never do that ever again don't agree for pickup unless you check with me

受け渡しの部分に、支払い、住所の共有、約束の取り付けなど、必ず自分が先に見るべきことを入れます。

必要なもの

  • 米国・カナダのApp Storeアカウント、またはmuse.ai
  • 連携するメール・カレンダー

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