広告を「見る」人はいても、広告と「話す」人はいなかった。今までは。
SnapがチャットフィードにブランドのAIエージェントを直接組み込み始めました。スワイプで飛ばす広告ではなく、話しかけてくる広告です。2026年4月28日、Snapchatが「AI Sponsored Snaps」を正式発表しました。
チャット欄に広告が現れたってどういうこと?
Snapchatは2026年Q1だけでユーザーが9,500億件以上のチャットを送ったと発表しています。Snap独自のAI「My AI」を使ったユーザーはすでに5億人以上。チャットタブはすでにプラットフォーム内で最も活発な場所なんです。
AI Sponsored SnapsはそのチャットタブにブランドのAIエージェントを直接配置する新しい広告フォーマットです。ユーザーの画面には広告主のアカウントのようなチャットセルが表示され、「Ad」バッジと青いメッセージアイコンで識別できます。タップすると全画面広告が開くのではなく、1:1のチャット画面が開き、ブランドが作ったAIとの会話が始まります。
重要なのは、このチャットボットはSnapが作ったものではなく、広告主が独自に構築・管理するAIだということです。テキストと画像のやり取りが可能で、商品探索から質問応答、アプリインストール、購買まで一つの会話の中で完結させることができます。
最初のパートナーはグローバル信用情報企業のExperian。信用スコアやローン商品について質問すると、ExperianのAIがパーソナライズされた情報と商品を提案する仕組みです。
これはSnapだけの話ではありません
Googleは検索広告にGemini搭載のBusiness Agentを組み込み、ChatGPTは2026年2月から会話型広告を開始。TargetはOpenAIと組んでChatGPT内のコンテキスト広告をテスト中で、ChatGPTからTargetへのトラフィックは月40%成長しているとのことです。チャット広告は特定プラットフォームの実験ではなく、業界全体の方向性なんです。
従来の広告と何が違うんですか?
Snapの既存Sponsored Snaps(2024年9月開始)もすでに好調でした。他のフォーマット比でコンバージョン率22%高、アクションあたりコスト(CPA)20%低、全画面広告比でコンバージョン2倍というデータがあります。AI Sponsored Snapsはそこに会話レイヤーを加えたものです。
| 従来の広告(バナー・全画面) | AI Sponsored Snaps | |
|---|---|---|
| 形式 | 見る広告 | 話す広告 |
| ユーザー行動 | スキップまたはクリック | タップ→質問→探索→転換 |
| パーソナライズ | セグメントベース | リアルタイム会話ベース |
| ファネル範囲 | 上部(認知)のみ | フルファネル(認知→購買) |
| インタラクション | 一方向 | 双方向(質問・回答・推薦) |
| 接触時間 | 短い | 会話が続く限り長くなる |
SnapのCBO Ajit Mohanはこう語っています。「会話こそが広告における最も価値ある不動産になっている。AIはその変化を加速させている。」 Snapchatユーザーの85%がチャットタブを定期的に使っているという事実が、この主張を裏付けています。
注意点もあります。ユーザーのメッセージはSnapのサーバーだけでなく、広告主のAIサービスにも送信されます。データ処理は広告主独自のプライバシーポリシーに従います。Metaが2016年にMessengerでブランドチャットボットを導入したものの、「DMが商業化される」との反発で撤退した前例があります。今は違います。ユーザーはAIチャットボットとの会話にはるかに慣れています。
核心まとめ:始め方
現在はアルファ段階(Experianのみ)で、一般広告主への開放はまだです。でもマーケターなら今すぐ準備しておくべきことがあります。
- 会話シナリオを先に設計する
AI Sponsored Snapsはランディングページへ飛ばす広告ではありません。「ユーザーはどんな質問をするか」「どういう会話の流れが転換につながるか」を先にマッピングしてください。ブランドごとに3〜5つの核心会話ツリーを設計することから始めましょう。 - ブランドAIエージェントを構築する
広告主が自分でAIを作る必要があります。SnapはAIを提供しません。OpenAI API、Claude、または専門チャットボットビルダーを使って、ブランドの知識ベース(FAQ、商品DB、価格ポリシー)を学習させたエージェントを準備してください。 - Snap for Businessでアーリーアクセスを申請する
Snap for Businessでアーリーアクセスへの申請が可能です。アルファからベータに拡大するタイミングで早期参入することが重要です。先行者優位が大きく、初期データが最適化の鍵になります。 - 測定指標を変える
CPMとCTRだけ見ていてはいけません。会話の深さ、質問コンバージョン率、会話あたりコンバージョン(CPConv)も追跡してください。何回の会話のやりとりで購買行動につながるかが核心インサイトです。 - 会話から転換へのパスをシンプルにする
チャット内でステップが多すぎると離脱が増えます。「興味を示す→商品推薦→リンクタップまたはアプリインストール」という2〜3ステップで設計してください。



