「バイブコーディング」が開発の方法を変えたなら、今度はデザインの番です。Googleが自然言語でUIを描くAIキャンバスStitchを完全に作り直しました。無限キャンバスの上で話しかけてデザインし、AIエージェントがプロジェクト全体の文脈を追跡し、クリック一つでプロトタイプが動きます。

3秒で要約
自然言語/音声入力 AIが高解像度UIを生成 無限キャンバスで探索・編集 インタラクティブプロトタイプ Figma・コードエクスポート

これは何?

StitchはGoogle Labsが作ったAIネイティブなデザインツールです。 2025年のGoogle I/Oで初登場し、2026年3月に完全新モデルとして再リリースされました。Google VPのJosh Woodwardの言葉が核心を突いています — 「AIは創造性の乗数になれる。多くのアイデアを素早く探索させてくれるから。」

核心コンセプトは「バイブデザイン(Vibe Design)」です。ワイヤーフレームの代わりに、ビジネス目標を説明するところから始めます。 「ユーザーが信頼感を持てるフィンテックダッシュボードを作って」と言えば、AIがカラー、レイアウト、コンポーネントを自動で選んで高解像度UIを作ってくれます。FastCompanyはこれを「Figmaへの打撃」と表現しました。

今回のアップデートで新たに追加された主な機能です:

  1. AIネイティブ無限キャンバス
    アイデアをノードベースで広げる作業空間です。画像、テキスト、コードの断片をキャンバスに置くと、AIがそれを文脈として活用します。
  2. デザインエージェント + Agent Manager
    プロジェクト全体の履歴を理解するエージェントが付きます。複数のデザイン方向を同時に探索するとき、Agent Managerがそれぞれを追跡して整理してくれます。
  3. 音声コマンド(プレビュー)
    キャンバスに直接話しかけられます。「メニューオプションを3つ見せて」「この画面を別のカラーパレットに」といったリアルタイム修正が可能です。
  4. インスタントプロトタイピング
    画面を「Stitch」でつなぎ、Playボタンを押すだけでインタラクティブプロトタイプが動きます。AIがクリック対象を分析して次の画面まで自動生成します。
  5. DESIGN.md
    デザインシステムのルールをマークダウンファイルで読み込み・書き出しするフォーマットです。他のプロジェクトに同じデザインルールをすぐ適用できます。
無料
現在の価格(Google Labsベータ)
350回
月間Standard生成上限
200回
月間Pro生成上限

何が変わるのか?

従来UIデザインをするにはFigmaを開いてフレームを作り、コンポーネントを配置し、オートレイアウトを設定して…この工程が時間を奪っていました。Stitchはこの流れを全部ひっくり返します。

従来のデザインツール Google Stitch
起点 空のキャンバスに手動配置 自然言語/音声で意図を説明
初稿速度 数時間 数分
バリエーション探索 一つずつ手動複製 複数の方向を並列で同時生成
プロトタイプ 別途設定が必要 Playボタン一つで自動
価格 $16+/月(Figma Pro) 現在完全無料

似たツールと比べてみると、Stitchのポジションがより明確になります:

ツール 主な強み 弱点 価格
Google Stitch 無限キャンバス、音声、エージェント、無料 Labs製品、長期保証なし 無料
MagicPath デザイナー向けキャンバス、Figmaインポート 新興ツール、パフォーマンス制限あり $20/月
Figma Make 既存Figmaエコシステムと統合 変数/コンポーネントの精度が不十分 Figma Pro含む
Flowstep マルチスクリーンフロー、Figmaコピー&ペースト デザインシステムのカスタマイズ制限あり $15/月

Stitchの最大の差別化ポイントは「完全無料+キャンバス文脈認識」です。 有料ツールがプロンプト一つに画面一枚を作ってくれるのに対し、Stitchのエージェントはキャンバス上に置かれたすべての画像、テキスト、コードを文脈として理解し、プロジェクト全体の一貫性を保ちます。

知っておきたいこと

StitchはGoogle Labs製品です。長期的な価格設定やサービス継続は確定していません。 アナリストたちはLabs卒業時に月$25〜30程度の有料化を予想しています。プロダクションワークフローの中核ツールとして使うより、アイデア探索やコンセプト検証の段階で活用するのが賢明です。

始め方のポイント

  1. アカウント登録
    stitch.withgoogle.comでGoogleアカウントからすぐ始められます。無料です。
  2. キャンバスに文脈を追加
    テキストで作りたいアプリを説明するか、参考にしたい画像やコードの断片をキャンバスにドラッグします。既存サイトのURLからデザインシステムを抽出することも可能です。
  3. AIでUIを生成
    Standard(高速生成)とExperimental(高品質)モードから選びます。 最初はStandardで素早く複数の方向を探索してみましょう。
  4. プロトタイプを確認
    画面をつなげてPlayを押すと、すぐにインタラクティブプロトタイプが動きます。AIが次の画面を自動で提案してくれます。
  5. エクスポート
    MCPサーバーやSDKを通じて開発ツールと連携したり、レイヤーを保持したままFigmaへエクスポートできます。